2017-05-15

実演を終えて

岐阜の高島屋での実演が終わりましたー。
昨日と今日の2日間、色んな方に見てもらう事が出来ました。

初日の朝、搬入中に作業に使う台が根元からポキッと折れてどうなる事かと思いましたが、急いで修理して、無事に実演を終える事ができて、ほっとしています。
(写真をよくみると下の方に添え木が…)

行くよー!と連絡くれた方、ふらっと立ち寄ってくれた方、チラ見して「すげー」と言いながら通り過ぎていかれた方、質問をしてくれた方、じっと作業を見てくれた方…、どんな皆様も本当にありがとうございました。

岐阜高島屋のお客様にはまだ岐阜で和傘作りが産業として輝いていた頃の時代を知る方々も多く、和傘の油のにおいを懐かしんだり、実際に職人だったご両親の事を思い出されたりと、和傘作りの光景がごく普通の日常だったんだよと教えていただきました。

 

「職人」というと、体が作業を覚えてしまい、考えずとも自然と手が動いてしまう。そんな領域に達した人に送られる称号のようなものじゃないかと思っていて。この2日間、何度も「和傘職人」と紹介される度に、違和感と照れ臭さ、恥ずかしさが混じって何とも言えない気持ちになっていました。

それでもやっぱり見知らぬ人から作業の風景を見て「すげー」と言われるとうれしいし、見に来てくれた友人から「かっこよかったよ!」と言われて、へへへ。とにやけたりしてました。

ポケモンに例えるなら、まだまだヒトカゲだけど、ひとつずつレベルアップして、技を覚えていったら、進化してリザードになって、ゆくゆくはリザードンになれるはず。ヒトカゲだとジムリーダーを倒すのに最初ほんとに大変だけど、きっとその経験が後から活きてくる、そんな気がする。
リザードに進化出来たら職人と言われても胸を張れるだろうか。

 

 

2日間ずっと長良川デパートの店長の河口さんや辰次さん達がお客様に和傘の事を熱心に、丁寧に説明してくれているのを聞きながら実演していて、こんな風にお店で接客してくれていたんだとすごくうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

いつもはまだ誰が買ってくれるか分からない状態で傘を作る事が多く、私にとっては10本のうちの1本、20本のうちの1本かもしれないけれど、買う人からすれば1本、それが100%なんだと。その事を絶対忘れては駄目だなって傘に興味を持って見てくれる方の表情を見ながらそう強く感じました。
どんな作業も大事に仕事していかなくては。

 

 

実演で感じた事を忘れないように、思い返せれるように。

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